
今から35年くらい前の話。
みんなも良く知っている白黒のワンコと黄色いトリがでてくるアメリカのマンガに、
こんな話があった。
かぼちゃ畑の中、一晩中「かぼちゃ大王」を待つチャーリー。
早朝、様子を見に来る「毛布好き」。
「いたずらかおごりか」という挨拶。
で、かぼちゃ大王はあらわれたのかい?
毛布好きが尋ね、
いや、こなかったよ、明け方は死ぬ程寒かった
と答えるチャーリー。
ラスト、とうとう現れなかったかぼちゃ大王に対して
「子ども心を踏みにじられた」とチャーリーはわめく。
当時、ハロウインなどという行事はまだまだ日本に浸透しておらず、
小学生だった私はこの話がなんのことかわからず、
ただ、私の知らない子ども騙しな出来事が行われており、
かぼちゃが関係しているということだけは頭に残ったのだった。
マンガは面白い話も、よくわからない話もあったが、
かわいらしくてたぶんちょっと自虐的な感じが気に入っていた。
紫色で、おてんばな女の子が表紙だったと記憶している。
このところ数年、仮装した男女とすれ違うたび、いつも
小学生だった私が大切にしていたあの紫色の表紙を思い出す。
あれは「ジャックオーランタン」で「トリックオアトリート」のことだったんだ。
チャーリーはあいつに出会うためにかぼちゃ畑で夜を明かしたんだ。
あの頃も今も外国の街では「かぼちゃ大王」が横行し、
日本にもその行事が浸透したんだなぁ。まるでクリスマスみたいに。
もし、タイムマシンがあったら小学生の私の所に行って
「そのうち謎がわかるんだよ」と伝えてあげたい。
いや、そんなの余計なお世話なのかな。
ハッピーハロウイン。